アドホック仲裁廷とは
アドホック仲裁は、特定の民事上の紛争を解決するための仲裁手続です。この方式では、当事者が個別の事件のために仲裁廷を構成します。単独の仲裁人または複数の仲裁人からなる合議体を選任し、手続について合意した上で、仲裁合意の範囲内で紛争の審理を付託します。
アドホック仲裁の基本的な考え方は、特定の紛争のために仲裁廷を設けることにあります。事件の受付、配分、管理を継続的に行う常設のセンターではありません。
仲裁条項の検討に役立つ文書
仲裁条項を検討するには、その正確な文言と、その条項を含む文書が重要です。「契約に仲裁の定めがある」という説明だけでは、実際にどの紛争解決方法が合意されたかは分かりません。契約書の全文、関連する付属書、紛争の審理方法や当事者の構成を変更した後の合意書を添付すると役立ちます。
紛争がすでに発生しているか、どのような請求がなされているか、文書のやり取りがどの段階にあるかを別途記載してください。これにより、今後設ける仲裁条項についての問題と、特定の合意に基づいてすでに行われた行為についての問題を区別できます。契約当事者と、変更合意に署名した者に関する情報も、検討する課題に関係する範囲で必要です。
- 仲裁条項を含む主契約、その日付、条項が参照する付属書。
- 当事者が仲裁条項の変更を協議した合意書や通信記録。
- 発生した請求の具体的内容と、すでに提出されている場合はそれに対する反論。
- 仲裁人の選任に関する提案と、相手方の回答。
- 問題に関係する通知と、その発送を確認できる資料。
契約書の各通で文言が異なる場合は、それぞれの版を保存し、その由来を説明してください。どの文書が署名済みで、どれが草案にとどまり、どの変更について相手方が争っているかを明記してください。最初の検討には、ページの順序を保った判読可能な写しで十分です。このように資料をそろえると、どの条件が明確に合意されているか、どこに追加の合意が必要か、どの事情について個別の法的評価が必要かという具体的な問いを整理できます。
手続の合意に至る経緯を整理するには
アドホック仲裁についての協議がすでに始まっている場合は、手続運営に関する行為を別途時系列にまとめると便利です。各項目について、日付、送信者、宛先、連絡内容、その情報を確認できる文書を記載してください。仲裁廷の構成、言語、文書の交換方法に関する提案が複数のメールで協議されている場合には、特に役立ちます。
一方の当事者の提案と、相手方が明示的に承諾した条件を区別してください。回答がないこと、転送されたメール、署名済みの合意書は、それぞれ異なる事実関係です。裏付けとなる文書を示さずに、それらを一括して「当事者が合意した」と表現すべきではありません。各事情の法的な意味は、具体的な紛争に即して評価されます。
- 合意がすでに文書に記録されている事項を書き出してください。
- 異なる文言の案や異議がある条項を明記してください。
- 各項目を、メール、添付資料、署名済みの合意書のいずれかに対応づけてください。
- 今後協議する必要がある手続運営上の対応を、別途列挙してください。
電子メールは、画面の画像だけでなく、添付ファイルを含む元のメールを保存してください。回答がどの提案に対するものか、どのファイルが協議の対象だったかを確認できるか点検してください。通信記録の一部が失われている場合は、その欠落を明示してください。合意の内容、仲裁人候補者の独立性、通知の文書による裏付けについての質問は、別々に整理するとよいでしょう。それぞれの回答は異なる資料に基づくためです。
作成した一覧は、特定の紛争の手続について協議するために使用します。本サイトを通じた仲裁の申立てではなく、当事者が選任した仲裁廷への連絡に代わるものでもありません。